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同期してのオンライン授業

オンライン授業というと双方向のやり取りが必要だから同期型じゃないとだめだと思い込まれている方がいるようで、僕としては気になっています。授業だから生徒の顔を見ながら理解度を確認しつつ、質問や疑問を随時受け付けるべきということなのでしょうか。結論を申し上げると僕自身は授業を同期で実施することには現時点で否定的です。ホームルームを同期で行うことは良いと思っています。以下そのことについて書いておきます。

同期と非同期の違いについて

同期型とは

教師と生徒のコミュニケーションがリアルタイムで双方向に行えるもの。現実世界の授業では教室に生徒と教師が一緒にいるので同期型である。この教室をオンライン上で再現しようとしてZoom等を利用するケースが多い。Zoomもオンライン上で複数の参加者が顔を見ながら一斉に会話ができるので同期型に分類される。

非同期型とは

双方向のコミュニケーションであっても、やり取りがリアルタイムでないものも存在する。代表例としてはメールが挙げられる。メールはお互いがメッセージを送ることができるが、チャットと違って送られたメッセージを受け取ってから読むまでの時間差が生じる。受け手の都合の良いタイミングでメッセージを開くことができ、何度でも繰り返し見ることができる。こういった、発信と受信の間に時間差が生じるコミュニケーションを非同期型という。

オンラインでの学習支援に都合が良いのはどちらか

実際にオンラインで学習支援を行うことを想定してみて思うのは、一言で学習支援と言ってもそのやり方には様々なバリエーションが存在し、適当な手段はそれぞれ異なるということである。たが、ひとつだけ言えることは、通常教室で行っている授業をオンライン上でそっくり再現することは無理ということである。音声については全員がマイクの前にいるために一人の発言は全員に伝わってしまう。極端なことを言うと、マイクをミューとしない限りは公式な発言以外の独り言も全体に発信される。映像については画面という限られた角度でしか周囲を見られないので、他の参加者の顔は見えるものの、お互いの手元を見比べるなどの画面切り替えは現実的には難しい。画面共有という機能も使えるが、教室で席の近い生徒同士の活動をオンラインで再現するのは現時点では不可能である。

また、教師の活動においても教室で普段行っている授業が体に染みついている状態でカメラとマイクを目の前において生徒がいない状態でモニタを見ながら授業を行うことは、状況認識において非常に難しい。慣れの問題ではあると思うが、状況把握だけでも難しいので、この状態で授業の進行に集中することは大変難しいだろう。

以上のことから、同期型の手段を用いる場合は、一度に多数の生徒たちが顔を見ること、声を聴くことを主たる目的とする場合には大変有効であると思う。逆に、思考を必要とする場面では大人数でのやり取りが集中を妨げることにつながるので、コミュニケーションを必要とする授業ではブレイクアウトルーム等を利用して人数を少なくするなどのテクニックが必要になるだろう。一斉授業で知識を伝達することを主眼とするならば非同期の方法を用いることで教師は伝えることに集中でき、なおかつ生徒も落ち着いて思考することに専念できるだろう。具体的には動画配信サービスを利用して単元の重要な個所を動画で説明し、疑問があればメール等で質問する。複数同じような質問が来るようであれば再び動画で説明する、または掲示板等で前提に向けて回答するなどの方法が良いだろう。動画視聴は学習者の理解のペースに合わせて一時停止したり巻き戻しすることができたりするので個の生徒状況に合わせてペース配分ができるのでよい。教師が何度も同じことを繰り返し説明する必要もないため教師にとっても省力化につながる。また、理解の進んでいる生徒が解説をスキップして効率よく学習を進め、より深く学ぶことの実現につながることも予想される。


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Last-modified: 2020-05-15 (金) 09:24:50 (14d)